雷蔵好み

雷蔵好み

雷蔵好み

映画の評伝本には2種類ある。相手を顕揚しその素晴らしさを読者に伝えようとするもの。それとは別に作者が如何にその人物が好きで、それよりも「その人物が好きな自分が好き」という自分についてど こまでもナルシズムで語るだけで資料的な価値がなんともない、まあ言ってしまえばタレントムックかファン本と変わりのないものがある。本書がそれだ。数人の映画人(それも雷蔵にそれほど近くない人)にイ ンタビューしてあとはちょっと資料を読んで当時の私はこうで、雷蔵はこうだったろう、と推論に推論を重ねるだけで、人物像にも迫ってない。もちろん新発見もない。こんな本誰が読むんだ?