パーフェクト・キル

パーフェクト・キル(新装版) (集英社文庫)

パーフェクト・キル(新装版) (集英社文庫)

イギリスで起きたパンナム機爆破事件を基に書かれた冒険小説である本書は、妻と娘を殺された元傭兵クリーシーが、孤児に自分の技を伝授して、ふたりで復讐を遂げるという王道のストーリーだ。なかなか細部に工夫をこらしているので飽きない。なかでも主人公の後援者であるアメリカ人議員を護る、諜報員仲間によるアラブゲリラに雇われたマフィアとの戦いのあたりはよく書かれている。しかし血の繋がらない親子関係がどうも不自然に見えるのは、主人公の弱さが見えないところではないだろうか。でもよく書けてます。