ザ・グリード

ザ・グリード [DVD]
 DEEP RISING 98 スティーヴン・ソマーズ(ビデオ)

 これは、いい。正当派B級映画。なかなかツボをおさえた設定・演出!登場人物が密輸船の陰のある若い船長(勿論主役)、彼の助手のオチョコチョイのエンジニア、その船に乗っている不気味な客。船長は「金さえ貰えば誰でもいい」と言うが、明らかに傭兵軍団。小型船は嵐の中、豪華客船にたどり着く、乗り込む傭兵達。成り行きで一緒に船内に入ることになった船長達はそこで、おぞましい光景を見る。たくさんいたはずの客がだれもいない、船内は滅茶苦茶。時折聞こえる不気味な音。生き残った美人女泥棒や船のオーナーや船長がタイプキャストを演じてくれてうれしい。イケイケって感じだ。
 ドラマの構成がしっかりしているので怪物の出てくる滑稽さも許される。拾いもんである。これはもしかしたら、ジョン・カーペンターの『物体X』のようなカルト映画になる可能性を秘めている。 それくらい近年にしては完璧に良くできているB級モンスターものである。人間が描けているのがいいね。
(角田)