ゴースト・オブ・マーズ

John Carpenter's Ghosts of Mars 02 ジョン・カーペンター ( DVD)

  いつもアイディアはオモシロイのだが、観ているうちにそれが空回りして観ている方が醒めてしまい後悔してばかりい る。ジョン・カーペンターについてはそんな印象が付き纏う。基本的にサスペンスの人じゃなくショッカーの人の癖に、最 初はサスペンス演出をして、それが破綻するといきなり身も蓋も無い残酷シーンへと移り、ウソだろと思うくらい簡単にラ ストに至り、主人公が格好つけて終る。なーんかそのパターンばっかだな。どうもその体温の低さがダメなのですよね。 本気で褒めている人がどれくらいいるのかホントにわからない。黒沢清がたぶん気に入っているのは彼自身の映画を 観ればなんとなくわかるのだが(でもその一方でトビー・フーパーとか言っているしなあ…)。
 カーペンター自身が思っ ているほど、友情みたいなものってうまく描けていないんだよねいつも。登場人物が最後まで成長しないしなに考えて いるかわからない。その点で誰が敵だかわからない『物体X』 が監督の意に反して傑作になったんではないでしょうか。 DVDの副音声コメンタリーの監督と主演女優の駄バナシは面白いです。禁煙、ドラッグ、暴力についての意見が聞け る。メイキングもよくできていたし、アンスラックスとの音楽録音風景もチープな感じがアメリカ映画?と思えます。
(角田)