2004-04-01から1ヶ月間の記事一覧

グッドフェローズ

GOODFELLAS 90 マーティン・スコセッシ (ヴィデオ) やはりニューヨークのチンピラを描かせるとスコセッシに敵うものはいないな。何者かに影響されて、パシリから組織 の一員になり、主人公が狂気に駆られ、逆に破滅するのがかれの映画のスタイルだ。そこから…

金融腐食列島[呪縛]

99 原田眞人(新宿東映) 角川映画、東映系公開で、おおっ、80年代の再現か!とも一瞬思ったが、そうではないしたたかなマーケティング的な映画な様な気がした。それが良い悪いじゃなくて映画的なダイナミズムに欠けているのが、悪くはないが物足りない最大…

キリング・ゾーイ

KILLING ZOE 94 ロジャー・エイヴァリー 監督の名前より、製作総指揮のクエンティン・タランティーノの名前が大きいというシロモノ。だから、面白かったとも言える作品。(角田さんごめんなさい、まるまるパクリました) エリック・ストルツ主演。1993年…

CUBE

(ビデオ) 短編アイディアを引き延ばしただけで、ぼんやり観ていても非常に分かりやすいので、90分なんかすぐ過ぎてしまう。この程度のネタじゃコミックにもならないし、人物造型に甘いSF界だから通用する映画なのだろう。観客を置き去りにして困難に直面す…

CUBE

CUBE 97 ヴィンチェンゾ・ナタリ(シネ・ヴィヴァン六本木) クローネンバーグにも通じるカナダの新鋭監督。寒い季節の長いカナダはこの手のホラーを生み出しやすいのか。「JM」の絵コンテ、アニメーションも手がけていたそうです。 内容は単純な映画です…

ギャラクシー・クエスト

Galaxy Quest 99ディーン・パリソット(ヴィデオ) 円谷プロも、新しいウルトラマンばかり作ってないで、こういう映画作ればいいんだよな。って思い出したけど、「ウルトラマン・ティガ」の第49話 ウルトラの星の回で、ウルトラマン誕生の前にタイムスリップし…

キッスで殺せ(ディレクターズ・カット) 

(ヴィデオ)なぜ今、この映画を観なきゃならないのか良く分からないが、赤狩りでハリウッドがガタガタになったあと、自分のプロダクションで白黒B級映画を作ろうとしたのはなぜか。 原作のマイク・ハマーはもっと格好良く強く、やたら拳銃をぶっ放すが、映画…

キッスで殺せ(ディレクターズ・カット)

KISS ME DEADLY Director’s Cut 55 ロバート・アルドリッチ (シネセゾン渋谷) 観終った後の正直な感想は「確かに緊迫感はすごいけど、ただの安っぽい出来そこないのB級じゃん」でした。ロードアイランドの名門一族出身のこの映画監督にはカルトなファンも…

鬼畜大宴会

98 熊切和嘉(ユーロ・スペース) 『プライベート・ライアン』にも匹敵する、ヴァーチャル・リアリティー体感映画が現れた。35ミリ、スタンダード、役者・スタッフは無名。噂によると“ぴあフィルムフェスティバル準グランプリ”に選ばれながらも、事務局がび…

喜劇・右むけエ左!

70 前田陽一(中野武蔵野ホール) 時刻は夜の7時半。微妙な時間だ。待ち合わせの、相方に目で合図を送る「どうする?」。相方も「どうするかだな、呑む時間としては充分あるが、デキあがっちゃ元も子のない」とその目は告げていた。が、そんなことを言ってた…

喜劇・昨日の敵は今日の敵

70 前田陽一(中野武蔵野ホール) 世紀末、大して楽しいことがないところに、こんなに無責任な滅茶苦茶な爽快な映画が今観られることは幸せなことだと思う。だから検索エンジンにも引っかからなくても人様の掲示板にも乱入してでも、「面白いものは面白い!…

喜劇・命のお値段

71 前田陽一(ビデオ) 映画祭にあわせてアップしてましたが、今回は済みません遅れてしまいました。 前作『喜劇・あゝ軍歌』と同じ格好をした、財津とフランキーが刑務所から出所するところから映画は始まる。いよいよ堅気になろうとするが何をしたらよいの…

喜劇・あゝ軍歌

70 前田陽一(ビデオ) 諸般事情でビデオにて観ることとなったが、劇場で観てもよかったなあと、いま思っている。アタマの中では軍歌が次々と未だ鳴り響いている。観てない人にどう説明したらいいのか、要約不可能な細部だけで出来ているトンデモなくエネル…

菊次郎の夏

99 北野武(渋谷ジョイシネマ) 2時間たっぷりのテレビ・ドラマを観たといってもいい。これが映画である必然性がどこにも最後まで感じられない。彼自身の出てこない映画でも、『あの夏一番静かな海』や『キッズ・リターン』のように面白い作品があるのに、北…

がんばっていきまっしょい

98 磯村一路(新宿東映プラザ) 湖水を滑るように進むボート。高校時代という時間。自分が自分でしかない悔しいもどかしい時。その一瞬一瞬がスローモーションのように思い出される映画。(ここら辺キネマ旬報っぽいな) ナッちゃんこと田中麗奈が進学校にや…

カリスマ

00 黒沢清(テアトル新宿) 黒沢清の映画は、いつも「映画」を観るだけではなく、「映画」の体験を観客に余儀なくさせることだ。 適当な言葉がないが純粋映画という言い方は好きではないが、ジョン・フォードの『捜索者』が西部劇映画を遥かに越えた美しい映…

唐獅子株式会社

84 曽根中生(ビデオ) 『新唐獅子株式会社』の予習と、『天才伝説 横山やすし』の復習ということで観てみましたが、鈴木清順一派の日活路線(ナイトクラブの世界)と東映ヤクザ路線(キャバレー、ドブ板の世界)のセットや雰囲気の作り方の違いが出ていたり…

ガメラ3 邪神(イリス)覚醒

(新宿オデオン座) 覚醒 [DVD]" title="ガメラ3 邪神覚醒 [DVD]" class="asin"> 平成ガメラは、どれかお好きですか。私は1ですけどね。あれが一番単純で分かりやすいアクションだった気がする。G3は、その前2作を観てないと楽しめない構造になっている。ま…

ガメラ3 邪神(イリス)覚醒

99 金子修介(ニュー東宝シネマ) 覚醒 [DVD]" title="ガメラ3 邪神覚醒 [DVD]" class="asin"> 「ガメラは人類の敵かもしれない」という疑惑は怪獣ものには当然つきまとうものである。そもそもギャオスやレギオンを何十匹殺しても心痛めないような亀がなぜ、…

神の子たち

01 四ノ宮浩 (某所ホール 16mm映写) ドキュメンタリー映画は常に何かを突きつけられる瞬間を持っているのだけれど、その様子も最近は声高に政治・社 会不正を叫ぶものから生活している人々を写していく 静かなスタイルのものが多くなっているようだ。ひ…

神様のくれた赤ん坊

79 前田陽一(ビデオ) 中野武蔵野ホールの『前田陽一映画祭』を観ようかどうか、考えていてプログラムを調べてみたら、ほとんど全部ビデオ化されていないことに気付いた。よおしと、景気付けに観てから考えようとビデオ屋の棚から抜いてきた。 たるんだテレ…

神様の愛い奴

こわれている筈の奥崎謙三は、生きていた。そう『ゆきゆきて神軍』で刑務所に入った奥崎は、娑婆に帰ってきた。AV に出演するために。 彼を取り囲む若いスタッフ。特殊漫画家根本敬を始めとするスタッフは、いきなり奥崎の途切れない話のペースに巻き込まれ…

神様の愛い奴(神軍平等兵の帰還)

98 神様(新宿ロフト・プラス・ワン) 老いて群れから取り残された獅子をハイエナ達が遠巻きにして弱るのを待っている。上空にはハゲタカも。でもまだ手は出せない。 高齢と病気、長年の独房生活でパラノイア気質が悪化した奥崎謙三を主演に迎え、本職でない…

カタクリ家の幸福

01三池崇史 (リーブル池袋) いまの日本で一番おもしろい映画を連発する監督の作品が、これほど次々と観られるのはなんと幸福なことか。一作 を観終わって、次作を渇望すること無いなんてことがあり得るのか。あらゆるうるさ方を唸らせながら問題作ばかり作っ…

ガタカ

GATTACA 98 アンドリュー・ニコル(ビデオ) レトロ・フューチャー、懐かしき未来図。小松崎茂のイラスト、どこかで一度は見た世界がそこには広がっている。宇宙への憧憬。遺伝子による人種差別。ちり一つ無い透明な巨大な建物。無表情に動く人々。 そんな端…

かさぶた

SCABIES 87 アボルファズル・ジャリリ(シネ・ラ・セット) アッバス・キアロスタミだけじゃないんだぜ、とばかりに配給元の意気込みが伝わってきそうなイラン映画。「友だちのうちはどこ?」 と同じく1987年の製作。 また「友だち〜」と同様、子供が主人公…

回路 

01 黒沢清(ヴァージンシネマズ・市川コルトンプラザ) 映画は、商品なのか作品なのか。個人のものであるとしたら「作品」であり、金を取るとしたら「商品」だと思う。誰かにほめられるだけなら「作品」だけど、議論されるなら「商品」だ。 企画:「インターネットのな…

オースティン・パワーズ:デラックス

AUSTIN POWERS THE SPY WHO SHAGGED ME 99 ジェイ・ローチ(丸の内プラゼール) 第一作目より、お下劣度、下ネタ度倍増のどうしようもなくオバカシーン満載。ますます悪ふざけが強力に幼稚になってきているので本気でやっているのか、パロディーなのかわから…

オースティン・パワーズ

AUSTIN POWER International Man Of Mystery 98 ジェイ・ローチ(渋谷セゾン) ギャグ映画はシナリオが命です。やっとバカバカしい映画が現れた。この間ビデオで『007 カジノロワイヤル』を観たけど、面白かったというか今観ているから、笑えるんじゃないか…

オーディション

00 三池崇史(ビデオ) 僕は三池作品を二つに分けている。本気で取り組んでいるモノ。カネのために気軽にやっているモノ。前者side-Aは黒社会シリーズ、『DOA』、後者side-Bは『アンドロメディア』、『ブルース・ハープ』など主に原作モノ。side-Aでは、確実…