露出

本当のところ、いつまでもグータラ遊んでいるような身分では無いのですが、逃避気味に8mmフィルムを買ったり、陽気が良くなったりして退屈の虫がうずうずします。(by旗本退屈男

印西鳥男に指摘されるまでもなく、映画道楽はフェチシズかもしれない。アイテム集めの楽しさだよね。
で、やっぱ露出計が欲しいよね、とサイトをこっそり見て回る。まあ一生ものだからイイのが欲しいネエとか思う。そのウチに16mmをやるにしても使えるからとか誰にともなく言い訳をしてみる。あとフルフルマニュアルの安価なロシアカメラを買って遊ぶときにもいいなあと別のサイトを見て唸る。
光を読む訓練をしばらくしてないので露出計を使って楽しみたい。カッコつけ過ぎか?スピルバーグが『レイダース・失われたアーク』で撮影監督ダグラス・スローカムと組んだときのインタビューを見たことがある。「彼(スローカム)は、砂漠の現場に現れると、太陽を見て、そのあとあたりをぐるっと見回し、うーん4…いや5.6だ、と一言云ってファインダーも覗かず露出を決めてしまう。露出計を使わないんだ。もっともサイレント時代は露出計なんてものはなかったらしいから」と興奮した口調で話していた。スローカムの撮影では『ジュリア』が好きです。(リリアン・ヘルマンの本は映画とはまた別の意味でいいです。)
溝口健二の照明を担当した岡本健一は、広い壁を照らすときに、現場に着くといきなり何本ものライトを組んで並べハイこれで決まりと云った、驚いた照明助手が測光したら、ピタリとムラなく露出が揃っていたという。
露出計を使わずに「光で描く」、これが理想だなあ。
Painting With Light