竹中労の「日本映画縦断=1 傾向映画の時代」を読んでいる。

ここしばらく自分の中でうつうつと考え答えを探していることの底流に、この中座したシリーズと外伝の「鞍馬天狗のおじさんは 聞書アラカン一代」があったことに気づく。「鞍馬天狗のおじさんは 聞書アラカン一代」はこの世の中でもっとも美しい本のひとつなので未読の方はぜひに(筑摩文庫)。いまのところ私の日本映画史の知識が全然追いついていないのだけど竹中労の本はその辺が二重三重構造になっていて、読み物としてもちろん面白いし、周辺知識があればより深く理会できるようになっている。

伊藤大輔 「(前略)今日は想い出話だけ、しかし人を傷つけまいとすると、なかなか真実のことはいえないものですね、勇気がいる。」